こんにちは。大野です。
今日は山留支保工の切梁を撤去時の注意点についてのお話です。
山留支保工の撤去は、山留支保工全体の安定性と構造物の品質に影響を及ぼさないように行い、必要に応じて盛替え梁の設置を行います。
腹起や切梁の盛替えおよび撤去時の注意点
腹起や切梁を撤去すると、側圧が作用していた山留壁が変位して背面の地盤をゆるめて周辺地盤の沈下や隣接する構造物に影響を与えることがあります。
切梁を撤去すると他段の切梁や山留壁の応力が増加します。
撤去時は、切梁の軸力や山留壁の変位等の計測を注意して行う必要があります。
山留壁が片持ち梁になる1段目支保工の撤去時には、変位が大きくなるので注意をしましょう。
盛替え梁の設置
盛替え梁を設置して腹起や切梁を撤去すると、今まで切梁などで負担していた側圧を構造物に負担させることになります。
そのため、構造物の強度と盛替え材の剛性の確保が必要となります。
山留壁と地下構造物のすき間をあけて山留壁を施工した場合は、切梁撤去前に躯体や梁やスラブ部に盛替え材としてコンクリートや丸太を取り付けます。
良質な土で埋め戻したのちに切梁等を撤去します。
山留壁を構造物の外枠とする場合は、盛替え梁や埋め戻しは不要となります。
盛替え梁の種類
地階の階高が高く構造物に損傷を与えるおそれがある場合や、撤去対象切梁の上段に位置する切梁の耐力が不足する場合は、仮切梁で盛替えの処理を行ったり、立ち上げた外壁を補強したりします。
山留壁の変位を小さく抑え構造物に損傷を与えない様な対策をする必要があります。
↓↓山留壁の補強として水平切梁を設置
↓↓山留壁の補強として斜梁を設置
↓↓構造物の補強として外壁を補強
今日は山留支保工の切梁を撤去時の注意点に関するお話でした。
記事に関する意見や質問がある場合はコメントまでお願いします。
それではまた。
コメント
盛替え材にコンクリートをした場合の厚さとコンクリート強度はいくつにですか
コメントありがとうございます。
盛替え材のコンクリートの厚さと強度は現場ごとに計算によって求めます。
実施工の場合は計算をして厚さと強度を求める必要があります。
参考として、厚さは道路土工仮設構造物工指針によって30cm以上と記載があるので、土木工事の場合は30cm以上で計画したほうが良いのではないでしょうか。
強度に関しては18N/mm2ぐらいのものを使用する場合が多いです。