こんにちは。大野です。
今日はディープウェル工法と一緒につかわれる。リチャージ工法について説明していきます。
リチャージ工法とは
リチャージ工法はディープウェル工法で渇水した地下水をディープウェルと同じ構造をした遠く離れた井戸にいれ、水を処理する工法のことです。
↓↓リチャージ工法の概略図
リチャージ工法はどのようなときに採用するの?
ディープウェルで渇水した地下水位は通常は下水などの公共排水を利用して処理します。
以下のような理由の時にリチャージ工法を採用することが多いいです。
①ディープウェルの渇水により周辺地下水位の低下が問題となるとき
②ディープウェルの渇水量が多く、公共排水への放水量を確保できないとき
リチャージ工法を採用する際の検討項目
①地下水の水質
地下水位の水質を検査し、水質の汚染がないかをチェックします。
地下水中の鉄分が酸化すると目詰まりがおこりやすくなるため、鉄分の量を検査し、多い場合には渇水した地下水と空気が触れないように処理をします。
水質の検査により細粒分やバクテリアが多い場合は、リチャージする井戸の目詰まりが起こるため、リチャージする前にそれらを取り除く手段を講じます。
②注入地盤の透水性
リチャージする地盤が水が浸透しにくい透水性の低い地盤はリチャージが難しいため、透水性の良い砂や礫層の地盤でないと採用できません。
③山留・掘削面・構造物の安定
リチャージによる山留壁の背面の水圧上昇や掘削面のボイリング・ヒービング・盤ぶくれ等の安定、構造物にかかる浮力増加により構造物が浮き上がらないかの検討を行う必要がある。
④必要渇水量
渇水する帯水層と同じ層にリチャージする場合は、必要渇水量が多くなるため、その分を見込んだ排水計画を行う必要がある。
⑤余水の排水
渇水した地下水を全量リチャージできない場合は、余水の排水ルートについて確保しておく必要があります。
リチャージ工法の採用のポイント
リチャージ工法の採用を検討する際は次のようなことに注意します。
①リチャージ工法は地下水位の水質と注入する地盤の性質により決まります。
②注入速度を遅くするため、注入側のストレーナーをできる限り長く、井戸径をできるだけ大きく設計します。
③井戸内の水位を定期的に計測し、目詰まりの進行について調べます。必要な場合は定期的に井戸洗浄を計画します。
今日はリチャージ工法についてのお話でした。
質問がある場合は気軽にコメント欄に記入をお願います。
できる範囲で回答しようと思います。
それではまた。
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