こんにちは大野です。
今日は鋼矢板の腐食に関するお話です。
鋼矢板の腐食代は使用する場所、条件によって異なりますが、条件の違いにより各基準が定められています。
港湾・土中・水中の3つについて、説明していきたいと思います。
港湾および河川における鋼矢板の腐食速度
港湾関係
港湾の施設の技術上の基準・同解説(平成元年2月) 日本港湾協会
H.W.L(高水位)からの距離で腐食速度が決まっています。
河川関係
建設省事務連絡(昭和54年4月10日)
表裏合わせて2㎜ただし特に腐食が著しいと判断される場合は現地に適合した腐食代を見込む
災害復旧の設計要領
一級河川 裏表合わせて2㎜
土中における鋼矢板の腐食速度
土中の腐食速度は最初は大きいが、次第に減少していき、ほぼ2年以上になると腐食速度は一定値を保つようになる。
鋼材メーカーの技術資料(1975年 住友金属工業)より引用
水中での鋼矢板の腐食速度
淡水中では水表面以外ではほとんど腐食は進行せずに、大気中の腐食よりも小さい。
鋼材メーカーの技術資料(1975年 住友金属工業)より引用
海水中の鋼矢板の腐食速度
海水中の腐食は、塩分の成分、潮流、波浪などに大きく影響されます。
港湾構造物設計基準によると
H.W.L以上 0.3mm/年
H.W.L~海底間 0.2mm/年
海底泥層中 0.05mm/年
上記の港湾の施設の技術上の基準とほぼ同じ値です。
今日は鋼矢板の腐食に関するお話でした。
山留に関する質問がある場合は、コメントをお願いします。
できる範囲で回答しようと思っています。
それではまた。
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