こんにちは大野です。
腹起しと山留壁の隙間の処理はどうするのかというお話です。
山留壁は施工誤差があるため施工図の通りに誤差なく施工するのは不可能です。
山留壁の位置が直線にならないため、どうしても腹起しと山留壁の間には隙間が空きます。
また、腹起しのジョイント部のボルトを取り付けるために隙間を必要とします。
この隙間を埋めないで掘削を進めると、山留壁が掘削側へ変形してくるので、周辺地盤のなどの原因となってしまいます。
そのため、山留壁と腹起の隙間は埋めてから掘削をしなければなりません。
裏込め材の設置方法
山留壁面の不ぞろいや腹起しのカバープレートやボルトによって生じた隙間に、コンクリートや既製品の裏込め材を挿入します。
↓↓横矢板工法のときは裏込材を、すべての親杭と腹起しの隙間に設置します。
↓↓鋼矢板工法のときは裏込材を、鋼矢板の全ての凸部に設置します。
↓↓SMW工法のときは裏込材を、すべての芯材と腹起しの隙間に設置します。
鋼矢板やソイルセメント連続壁で側圧が大きく作用する場合には、裏込めコンクリートを打設するのほうが良いです。
裏込め材の種類
木製のキャンバー
裏込め材は、山留め壁が掘削の進行に伴い変形することによって落下しないようにしなければなりません。
木製キャンバーは、落下しやすいことと腹起しおよび山留壁と密着して設置することが難しく、腹起しの変形が生じるので山留壁の変形が問題になるような場所では、あまり使用しません。
掘削が浅く土圧がかからないい場合や、山留壁が変形して、周辺地盤が変形しても問題がない場合に使用します。
コンクリートやモルタルの裏込め材
山留壁と裏込め材の密着度は一番いい工法になります。
山留壁と腹起しが密着するので山留壁の変形は少なくなります。
コンクリートを使用するときは、打設したコンクリートが硬化しないうちはプレロードを導入することができません。
安全性は高いですが、使用後はコンクリートが産業廃棄物となり撤去回収作業に労力を払わなければなりません。
解体後の回収が楽になる袋状の商品もあるみたいです。
↓↓マックスチューブ
既製の裏込め材
既製の裏込めは簡単で養生期間0にてプレロード工事が可能となります。
リース品であるため、設置期間が長くなるとトータルコストが高くなる場合が。
設置方法などは画像にリンクを貼っていますので参考にしてください。
↓↓ユニブロック
↓↓ショートブロック
↓↓HS型裏込めブロック
地域によって在庫があるないがあるので、計画のさいは確認してください。
今日は裏込めのお話でした。
山留に関する質問があればコメント欄にお願いします。
回答できる範囲でお答えしようと思っています。
それではまた。
コメント
コンクリートの場合 一般的にどのくらいの強度を想定しておけばよいのでしょうか?
コメントありがとうございます。
コンクリートと記事に書きましたが、作業性からモルタルをしよしている場合が多いみたいです。
モルタルだと1:3モルタルで十分な強度が出ると思います。
凄い!裏込材を網羅した資料を探していたらまた貴サイトのお世話にになりました。。