こんにちは大野です。
自立の山留を施工する場合は、杭頭の変位の管理がとても重要になってきます。
今日は自立の山留壁の変位を押さえる目的に使用される頭つなぎがほんとに効果あるのかというお話をしていきます。
頭つなぎの効果
頭つなぎの効果は変位を抑える一定の効果があると考えれれています。
頭つなぎの効果について記載されたの文献は「道路土工 仮設構造物指針」に鋼矢板についてのみですが記載があります。
「鋼矢板頭部から30㎝程度まで連結して固定したもの等については、断面二次モーメントと断面係数の断面効率を80%まで上げることができる。」
※頭つなぎをしていない場合60%と45%で計算します。
このように一定の効果があることが「道路土工 仮設構造物指針」に記載されています。
鋼矢板の頭つなぎを考慮した検討
鋼矢板の頭つなぎを考慮した検討はできるのでしょうか?
「道路土工 仮設構造物指針」に断面二次モーメントと断面係数の断面効率を80%に上げて検討してよいとあります。
土木では通常の断面二次モーメント60%と断面係数45%で計算するため、この2つを80%に上げることで計算上の効果を出すことができます。
建築でも通常の断面二次モーメント60%と断面係数80%で検討するため、断面2時モーメントを80%に上げて計算することで、計算上の効果を出すことができます。
親杭とSMWの頭つなぎを考慮した検討
親杭とSMWでは実際には効果があると経験的には知られていますが、計算方法について載っている文献がありませんので、効果を計算値に表すことができません。
頭つなぎを付けた場合とない場合の計測結果があれば、わかりやすいのですが、なかなかそういった計測結果がありません。
頭つなぎの効果を知る一番いい方法は、現場で頭つなぎを付けたものと付けてないものの変位を計測するのが良いでしょう。
頭つなぎの形状
頭つなぎの形状にはどのようなものがあるのでしょうか?
文献に記載されているものはコンクリートのものが多いですね。
↓↓SMW研究会資料
鋼矢板セクションの杭頭部を50㎝溶接すればよいと「道路土工 仮設構造物指針」に記載があります。
ただし溶接した部分はスクラップとなりますので、注意しましょう。
↓↓鋼矢板の頭つなぎの例
文献には載っていないですが、建築の現場でよく見るのが、H形鋼のH300X300をブルマンで固定する方法です。
効果はありますし、施工も早いし、スクラップも出ないので、経済性と施工性が良い方法です。
よく見る方法ではないかと思います。
↓↓形状はこのような形です。
今日は頭つなぎに関するお話でした。
何か山留に関する質問がありましたら、コメント欄にお願いします。
答えれる範囲で回答をしようと思っています。
それではまた。
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