掘削を掘り過ぎた場合の山留への影響

こんにちは。大野です。

今日は掘削を掘り過ぎた場合の山留への影響と対策についてのお話です。

 

掘削深さの計画

 

山留壁の計画では山留支保工の設置高さー1.0mまで掘削を行って、支保工を架設します。

 

支保工を取り付けるブラケットを溶接するためと、山留支保工を架設するときの作業する人の作業性を考えて山留支保工ー1.0m定めるのが一般的となっています。

 

 

1次根切時に掘り過ぎた場合

1次切時は、土中の仮想支点で支持した片持ち梁と考えられています。

下図のLの長さの片持ち梁として検討をします。

片持ちばりの変位は、長さの3乗に比例しますから。掘り過ぎると頭部が大きく変位します

 

2次根切以降に掘り過ぎた場合

2次根切以降は、上段の切梁と根切床以深の仮想支点で支えられた単純梁となります。

下図のLを支間長とする単純梁で検討を行います。

掘り過ぎにより支点間距離が長くなりますので、やはりたわみが大きくなります。

床付け深さが同じで、切梁設置高さも同じ場合でも、各次の掘削深さを深くすると変形量が大きく変わってきます

 

 

最終掘削時に掘り過ぎた場合

最終掘削時の掘り過ぎは、山留壁の安全性の面で問題があるばかりでなく、建物の支持地盤を荒らすことになり、品質上の問題もあります。

 

山留壁への影響

最終掘削で掘り過ぎると、根入れ長さが不足し、山留壁の足元をすくわれることになり、山留壁の根入れ不足になります。

根入れ不足は山留壁が掘削側へ変形することにより、掘削底面の破壊にもつながります

 

支持地盤への影響と対策

基礎の形式にもよりますが、最終掘削(床付け)面は、建物を支えるのに必要な耐力が必要です。

もし、床付け地盤を掘り過ぎてしまったら、埋め戻して自然地盤と同程度の強度を持つように転圧、締固めが必要です

自然地盤と同程度に締め固めるのが難しい場合は、ラップルコンクリートなど打設して対策を行います。

 


今日は堀り過ぎによる、山留トラブルについてのお話でした。

 

山留支保工のトラブルに関する記事はこちらにも書いています。

 

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それではまた。

 

土留め支保工の取付部材の詳細

こんにちは。大野です。

今日は山留支保工の部材取り付け時の留意点についてのお話です。

 

切梁と腹起しの交差部

腹起と切梁が交差する部分は、腹起が局部的に変形しないように補強をする場合があります。

切梁に油圧ジャッキを配置してプレロード工法を採用する場合は腹起の補強を行いましょう。

図のような補強方法がありますが、モルタルまたはコンクリートを入れる方法と既製品スチフナーを入れる方法はあまり用いられていません。

スチフナープレートかスチフナージャッキを取り付ける方法が一般的な方法となります。

 

切梁と切梁の交差部

切梁と切梁の交差部は、相互に緊結して、変形を防止する必要があります。

Uボルトやアングルと長ボルトなどを使用して緊結します

 

腹起と切梁が斜交する場合

腹起しと切梁が斜交する場合は、結合部にすべりが生じます。

図のような自在火打ち受けピースを用いて腹起と切梁を固定します

切梁と自在火打ち受け端部に三角形のすき間ができます。

そのすき間は、コンクリートを充てんして、切梁の軸力が円滑に伝わるようにします。

 

腹起に滑り止めが必要な場合

腹起が山留壁に固定される場合は問題ありませんが、腹起と山留壁面に滑りが生じる場合があります。

このような場合は、腹起と山留壁を図のように固定します。

 


今日は土留め支保工の取付部材の詳細のお話でした。

腹起しのすべりの記事はこちら

 

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できる範囲でお答えしようと思います。

それではまた。

 

杭工事の山留工事への影響

こんにちは。大野です。

杭工事の山留工事への影響についてのお話です。

 

杭工事の山留工事への影響

 

杭を地上から施工する場合、基礎底面から上の部分も削孔し、杭施工後に埋め戻されます。

埋め戻しの際に、削孔による現地発生土を埋め戻しに使用しますと、残土の搬出が低減され、また、埋め戻し土の搬入がなくなるため経済的になります。

 

しかし、特に粘性のある地盤では、埋め戻し部が十分に締め固められないので、掘削工事の際に受動土圧が小さくなり、山留壁の変形が大きくなります

そのため、山留壁に近い外周部の杭に関しては、良質土の砂で埋め戻すか、石灰など固化材を混入して埋め戻します

 

 

 

現場発生土で埋め戻しを行う場合の検討方法

 

固化材などによる埋め戻し土の強化を行わない場合は、杭部分の地盤強度の低下を考慮して山留の検討を行う必要があります。

 

杭施工により、受動側の粘着力、内部摩擦角、変形係数を低減させます。

 

低減率の考え方として下図のように

低減率=A/(A+B)

A:杭周(m)

B:杭径(m)

このような式で低減を行います。

変形や曲げ応力が許容範囲内かを検討しておきましょう。

 


今日は杭工事の山留工事への影響についてのおはなしでした。

 

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それではまた。

山留工事の墨出しの方法はどうする?

こんにちは。大野です。

今日は山留工事の墨出しの方法についてのお話です。

山留工事の墨出し

建築工事での山留壁の墨出しは建物の通り芯の墨から寸法を追い出して山留壁芯の変化点(折れ点)を決めます。

 

山留壁芯の変化点は山留壁を施工するときになくなるので、施工前に逃げ墨を出しておきます。

施工の際は施工業者へ通り芯の墨なのか、逃げ墨かをよく確認しておくことが大切です。

山留壁の位置は、原則として壁芯で表します。

壁芯線の延長上に鉄筋、木杭など打ち込み水糸をはります。

 

掘削中の墨出し

 

山留支保工を計画している現場の場合掘削中に墨出しをする必要があります。

 

高さ

建物の基準となるベンチマークや逃げ基準高さの墨を出しておきます。

その墨に基づいて、掘削前に、基準となるレベルポイントを移します。

移す際に支持層まで打ち込んだ沈下の恐れのない杭を選ぶことが重要です。

掘削の進行にともない、基準となるレベルを基準レベルポイントからスチールテープを使用して下に移していきます

腹起し位置や各次の掘削深さは、このレベルポイントから追い出します。

 

位置

地表にある通り芯墨、逃げ基準点から、山留め壁上部に通り芯墨あるいは逃げ墨を移してトランシット、下げ振りを用いて、山留壁に通り墨、あるいは逃げ墨を下ろします。

各土留め面の両端2本を下ろし、それを基準に切梁の位置を追い出します。

 


今日は山留の墨出しについてのお話でした。

計測管理についての記事はこちら

 

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それではまた。

 

ボーリング柱状図の見方

こんにちは。大野です。

今日はボーリング柱状図の見方についてのお話です。

 

ボーリング柱状図

 

柱状図は一般的な書式は下図のようなものです。

図に書いた1~7について説明します。

1.ボーリング名

報告書に添付されている平面図に占められているボーリング位置の番号を示します。

 

2.ボーリング標高

調査点の地盤の高さを明示します。

全国共通の標高原点で東京湾の中等潮位を基準としたTP、OP(大阪)、NP(名古屋)などを使う場合や工事現場の独自の基準点の高さKBMを決めて表示する場合があります。

 

3、土質名、記事

ボーリング担当者の観察記録で、主観が入ることは避けられませんが、地盤がどのような地層で構成されているかの目安となります。

砂・粘土・シルトなどの厳密な分類をするためには粒度試験が必要です。

 

4.標準貫入試験

標準貫入試験の結果を示します。

「打設回数/貫入量」からN値がわかります。

深さにごとにN値の変化を表示します。

 

5.地下水位

ボーリングの孔内水位を示します。

調査年月日から季節による水位の変動も合わせて確認します。

 

6.試験名

土質が水を通すかどうかを確認する現場透水試験を行った場合この欄に記載があります。

 

7.N値

モンケン自沈」とは、打撃しなくても貫入したことを示し、その層が非常に軟弱な地盤であることがわかります。

 

N値が10程度でも、砂質土の場合は良い地盤とは言えませんが、粘土の場合は比較的良い地盤と考えます

土質とN値を合わせて地盤を判断しなければなりません。

 

N値は50を限界とします。

N値50の層の左の欄にある16/50という表記は50回打撃しても16cmしか貫入しないということを示しています

換算N値を算出するときに使用します。

換算N値=1500/落下50回当たりの貫入量(㎝)で計算して算出するので、16cmだと1500/16=94となり換算N値は94となります。

 


今日はボーリング柱状図の見方に関するお話でした。

 

地盤の固さによるバイブロハンマーの機種選定方法はこちら

 

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それではまた。

 

土質

土留壁が必要となる条件とは?

こんにちは。大野です。

今日は掘削工事を行う場合の山留の必要性についてお話をしていこうと思います。

1.山留が必要ない条件

2.山留が必要となる条件

の順に記載していきます。

 

山留が必要ない条件

山留が必要ないのは、土を傾斜をつけて掘削した場合に土が崩れてこない場合は山留壁が必要ありません。

このような法面が崩れてこない角度を安息角といいますが、安息角は労働安全衛生法に規定があります。

 

1.砂地盤の安定角度

砂地盤は45°+φ/2で安定するといわれています。

φは土の内部摩擦角度でφ=30°であれば

45°+30/2=60°の法面で地盤が安定するとされています。

 

2.粘土地盤の自立高さ

粘土の自立高さは2c/ɤで求められます。

例えばN=2の粘土層を想定すると

c=12.5kN/m2

ɤ=16kN/m3

自立高さH=2×12.5/16=1.5m

となります。

 

3.岩盤または硬い粘土地盤

掘削深さH・安息角φとすると

H≦5.0mの時φ=90°以下

H≧5.0mの時φ=75°以下

となっています。

 

4.普通の地山

法面が5.0m以上になる場合は犬走を設置するように定められています。

 

山留が必要となる条件

敷地に余裕がなく上記の安息角が確保できない場合や地下水があり、法面が崩れる場合は山留壁が必要となります

現場の敷地や地下水位に合わせた山留計画が必要となります。

 

 


山留壁に関する記事はこちら

 

今日は山留の必要条件についてのお話でした。

 

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それではまた。

 

 

 

山留に使用するボルト

こんにちは。大野です。

今日は山留支保工に使用するボルトについてのお話です。

1.山留支保工に使用するボルトの種類

2.ボルトの使用箇所

3.ボルトの耐力

4.ボルトの施工中の管理方法

について書いていきたいと思います。

 

山留支保工に使用するボルトの種類

 

山留支保工に使用するボルトは以下の2種類あります。

①普通(六角)ボルト

 

②摩擦接合用高力六角ボルト(ハイテンションボルト)

 

①・②の違いは強度ので

①普通(六角)ボルト ≦ ②摩擦接合用高力六角ボルト(ハイテンションボルト)

となります。

値段も①≦②となります。

 

 

ボルトの使用箇所

 

山留支保工は山留材をボルトで結合して組み立てます。

普通ボルトだけで結合する場合と普通ボルトとハイテンションボルトを組み合わせて組み立てる場合があります。

2種類のボルトがあるとどこに使うかわかりにくいですが、基本的な考えはせん断力のかかるところにハイテンションボルトを使用します。

せん断力のかかる部品は、隅部ピースと火打ち受けピースを取り付ける箇所にハイテンションボルトを使用します

 

↓↓火打ち受けピース

↓↓隅部ピース

 

ボルトの耐力

1本あたりのボルトの耐力は建築と土木で使用する場合で違ってきます。

 

M22のボルト1本あたりのせん断耐力R

建築基準

普通ボルト R= 4.2t
ハイテンボルト  R=8.4 t

 

土木基準

普通ボルト  R = 4.1t
ハイテンボルト R= 10.8t

 

概略計画や現場でざっとあたりを付ける場合はボルトの耐力は

普通ボルト   1本で 4 t
ハイテンボルト 1 本で 8 t

とおぼえておきましょう。

 

ボルトの施工中の管理方法

ボルトの管理法はどのくらいの力で締め付けるかというトルクによる管理方法を行います。

普通ボルト 270kN・m

ハイテンションボルト 657kN・m

でトルクレンチという締め付け機を使用して管理をします。

 

山留支保工に使用するハイテンションボルトは摩擦接合でなく、支圧接合という接合方法の考え方になります。

ハイテンションボルトを支圧接合で使用するのは山留支保工のみでの考え方なので、管理方法の文献がありません。

管理方法を求められる場合は上記のトルクによる管理を行うのが良いと思います。

 


今日は山留支保工に使用するボルトについてのお話でした。

 

山留支保工に関する記事はこちら

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それではまた。

鋼矢板・H鋼杭打設のバイブロハンマーの機種選定方法

こんにちは。大野です。

今日は、鋼矢板・H鋼杭打設のバイブロハンマーの選定方法についてのお話です。

 

実施工においてのバイブロハンマーの機種の選定は施工業者の実績がら選定をすればよいと思いますので、今回は計画段階での機種の選定方法について説明します。
選定にあたっては国土交通省の歩掛算定資料をもとに行います。

 

電動バイブロ 機種の選定方法

 

N値と打込み長さによる電動バイブロハンマの選定

この表によると

①杭長15m以下・N値50以下→60kW電動バイブロ

杭長15m以上・N値50以下→90kW電動バイブロ

杭長15m以下・N値50~100→60kW電動バイブロ+ウオータジェット

④杭長15m以上・N値50~100→90kW電動バイブロ+ウオータジェット

を選定しなさいと記載があります。

 

N値が50を超えるものは換算N値で計画をします。

換算N値=1500/落下50回当たりの貫入量(㎝)で計算して算出します。

 

 

油圧バイブロの機種選定

 

N値と打込み長さによる油圧バイブロハンマの選定

①N値50以下→224kW油圧バイブロ

②N値50以下→224kW油圧バイブロ+ウォータージェット

油圧バイブロは長さに関係なくN値で決定しています。

 

 

引抜時のバイブロハンマの選定

 

引抜時のバイブロの選定はN値に関係なく以下の表により選定する。

電動式バイブロは60kwを使用

油圧式バイブロは225kwを使用

 

実施工時のバイブロの選定方法

 

実施工においては、周辺の環境や地盤と過去の施工実績をもとに機種を選定しなければなりません。

一般的に電動バイブロよりも油圧バイブロのほうが振動・騒音が少ないといわれてます。

また、N値が低くても均一な砂層などは施工中に振動で地盤が締まってバイブロでは施工できないような地盤も存在します。

それから、ウォータージェットを併用する場合は水の処理方法を計画しなければなりません。水が処理できない場合はウォータージェットでの施工はできないので注意しなければなりません。

施工する業者への相談や調査・試験施工を行って施工の計画をたてましょう。

 

 


今日はバイブロの機種選定方法についてのお話でした。

 

親杭のバイブロ施工に関する記事はこちら

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それではまた。

ブルマンとリキマンの比較

こんにちは。大野です。

今日は鋼材の接合に用いられる治具のブルマンとリキマンの比較をします。

 

ブルマンとリキマンの形状比較

 

ブルマンのC型とリキマンのG型の比較をします。

↓↓ブルマンC-50

 

↓↓リキマンG型

 

形状の大きな違いは締め付け用のボルトがブルマンが2本なのに対して、リキマンが1本という違いがあります。

ブルマンにもG型というボルト1本のみで締め付ける治具もあるみたいですが、基本的にボルト2本で締め付けるのがブルマンで1本で締め付けるのがリキマンという認識でいいと思います。

 

ブルマンとリキマン耐力比較

耐力については各社ホームページに公表しています。また、試験成績が載っていますので、耐力ついて比較してみたいと思います。

 

せん断方向の耐力

このような形の試験結果を公表しています。

 

ブルマンの耐力

短期使用荷重 117kN

→ブルマンの試験結果

 

 

リキマンの耐力

短期使用荷重 135kN

→リキマンの試験結果

 

耐力を比較するとブルマンが117kNリキマンが135kNでリキマンのほうが少し耐力が大きくなっています。

 

 

ブルマンとリキマン重量比較

ブルマンC-50とリキマンG型を比較します。

ブルマンC-50

一個当たり3.1㎏

 

リキマン

一個当たり3.1㎏

同じ重さです。

その他の型も調べましたが、大きくな違いませんでした。

 

NETIS登録

両製品ともNETISの登録商品で新技術として認定されています。

 

ブルマンのNETIS情報ページ

リキマンのNETIS情報ページ

 

どちらを使用したほうが良い?

 

性能や重量などは大きな違いはありませんでした。

大きな違いは締め付けボルトが1本か2本かというところが大きいと思います。

両方を使用してみて作業性を確認してみたらよいかもしれません。


 

今日はリキマンとブルマンについてのお話でした。

 

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それではまた。

 

プレストレスデッキの紹介

こんにちは大野です。

今日はプレストレスデッキの紹介をしていきます。

 

プレストレスデッキとは

大商鋼材㈱の製品であるプレストレスデッキは1.0m×4.0mの覆工板です。

通常のリース会社が所有している覆工は1.0m×2.0mと1.0m×3.0mがほとんどですので、少し大きいサイズとなっています。

 

プレストレスデッキのメリット

覆工板が4.0mに長くしてあるので、2.0mにくらべて、中間の桁がなくなるので、中間桁がなくなるので、高い作業性が可能となります。

桁がなくなることで、覆工板を開けると、作業の邪魔になる桁がありませんので、すぐに作業にかかれます。

桁がなくなることが一番のメリットとなる工法です。

 

詳しくはメーカーホームページから

 


今日はプレストレスデッキについてのお話でした。

 

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それではまた。

桟橋