こんにちは。大野です。
今日は山留計算の手法の弾塑性法についてお話します。
弾塑性法とは
弾塑性法とは、土留め設計の手法の一つです。
弾塑性法の説明は以下のようになります。
「土留め壁を有限長の弾性梁、支保工を弾性支承、地盤を弾塑性床として、掘削に従って変化する土留壁や支保工の断面計算を行うものである。」
少し難しいですが、通常使う慣用法の検討は土が破壊されるかどうかは考慮されて計算されませんが、弾塑性法は土が破壊された状態(塑性)と破壊されず力が加わり離すと元の状態に戻る状態(弾性)を考慮して計算します。
弾塑性法で検討する条件
弾塑性法は山留変位量を求めることができるので、近接構造物があり変位を求める必要がある場合に適用します。
基準書には土木では掘削深さ10.0m以上、建築では掘削深さ15.0m以上の時に使用すると記載があります。
近年はJR近接工事では掘削深さが浅くても弾塑性法で検討する必要がある場合が増えています。
弾塑性法と慣用法の違い
弾塑性法と従来からよく用いられる慣用法の違いを整理してみると以下のようになる。
①山留壁の変位計測管理を行う場合、慣用法では変位量の詳細がわからないが、弾塑性法では変位の詳細が計算できる。
具体的には、弾塑性法では地盤1.0mで20㎜、2.0mで40㎜と細かい位置での変位が計算できる。
②弾塑性法と慣用法で土圧や水圧の計算式が異なるため、山留壁に加わる土圧が違ってくる。
③慣用法は掘削深さが10~15m以下の土留めの計測結果をもとに、計算手法を考えられているので、それ以上の掘削の場合の適用には向いていない。
④慣用法は掘削に伴う掘削側の地盤状態が考慮されないが、弾塑性法では地盤状態が考慮した計算ができる。
⑤慣用法は掘削に伴う山留支保工の断面変化が考慮できないが、弾塑性法は山留支保工の断面変化が考慮できる。
今日は切梁の山留計算の弾塑性法と慣用法についてのお話でした。
質問がある場合は気軽にコメント欄に記入をお願います。
できる範囲で回答しようと思います。
それではまた。
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