こんにちは。大野です。
今日は山留支保工の腹起がすべったてしまった事例の紹介です。
実際の現場で起こった事例ですが、この腹起しがすべって背面地盤が沈下する事例は多いいです。
原因は計画時の対策不足や施工時の対策の設置しわすれなどが多いようです。
腹起しのすべった山留の形状
コの字の山留支保工で、腹起しが掘削側へすべり、鋼矢板頭部も大きく変位した。
↓↓山留形状はこのような形
滑りが発生した原因
前方に山留壁がない場合は、腹起しに作用するすべり止め補強が必要となるが、これらの対策が行われていなかった。
腹起しがすべらない対策
①腹起しにすべり止め補強を行った。
山留材の補助ピースをハイテンションボルトで腹起しにとりつけて、鋼矢板と腹起しの隙間に、裏込めコンクリートを打設した。
↓↓このようなすべり止め設置
すべり止めを設置することで、腹起しがすべろうとする力は、ピースを介して鋼矢板に伝わり、周辺地盤との摩擦で支持されます。
山留壁が親杭の場合は山形鋼を利用したする下の図のような方法がとられている。
↓↓山留壁が親杭の場合のすべり止めの例
②山留壁の変位が大きいため、山留壁と構造物の位置の干渉がないかを確認した。
③山留壁の背面地盤の沈下が考えられるので、砂をクラックに入れて、地盤の隙間を埋めた。
今後の教訓
①山留支保工にすべりが生じそうな場合は、すべり止め対策を計画し、対策工の強度が十分にあることを確認しておく。
②すべり止め対策工は詳細図を作図し、施工する業者に十分説明をしておく。
③出隅・入隅のある山留め支保工の計画を行うときは、力の伝わり方およびバランス・土の集中・支保工の取り合いなどの検討も行う。
今日は山留支保工のトラブル事例についてのお話でした。
質問がある場合は気軽にコメント欄に記入をお願います。
できる範囲で回答しようと思います。
それではまた。
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