こんにちは大野です。
今日は山留設計を行う際に、ボイリングの安全性の検討方法についてのお話です。
ボイリングは砂地盤のような透水性の大きい地盤で止水性の山留壁の鋼矢板やSMW工法で掘削する場合に起こる現象です。
ボイリングの検討方法
ボイリングは山留壁の水頭差により、掘削底面付近の砂地盤上向きの浸透流が生じ、砂が沸騰したような状態となり、地盤が破壊される現象です。
そのため、水位差による水圧と根入れ部の土の重量の比較により安全性の検討を行います。
ボイリングに対する検討は下式により求めます。
F=2×ɤ×D/ɤw×hw
F:ボイリングに対する安全率
ɤ:土の単位体積重量(kN/m3)
D:山留壁の根入れ長 (m)
hw:水位差(m)
ɤw:水の単位体積重量(kN/m3)
ボイリング対策後の検討方法
ボイリングの対策工を計画した場合の検討方法は対策別に次のようになります。
①山留壁の根入れを長くして不透水層へ先端を挿入した場合
⇒不透水層へ先端を挿入することで、上向きの水圧がかかることがなくなるので、ボイリングの検討は省略することができます。
②掘削場内外の地下水位をディープウェルやウェルポイントにより低下させる対策をとった場合
⇒地下水位を下げた状態で、上式にて再検討を行い、山留壁の根入れ長を決定します。
施工中も水位が計画通りに下がっているか、日常点検が必要になります。
③掘削内を地盤改良し、透水性の減少や強度の増加を図る対策をした場合
⇒地盤改良の強度の検討と地盤改良と山留壁の付着力を考慮して、水圧に対して安全であるかを確認する必要があります。
今日はボイリングの検討方法についてのお話でした。
質問がある場合は気軽にコメント欄に記入をお願います。
できる範囲で回答しようと思います。
それではまた。
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