こんにちは大野です。
今日は山留支保工の鉛直方向の決め方についてのお話をしていこうと思います。
支保工の鉛直方向の決め方は土木基準と建築基準の場合で違ってきます。
正確に言うと、土木では基準が決まっているが、建築では基準がありません。
土木と建築の違いは、土木は一般供用(道路上の施工など)をすることを考えられた指針で、現場が公共性の高いことを想定した基準です。
建築は一般的に私有地内での工事を想定して基準が作られています。
そのため、土木のほうが安全性が高い計画になります。
安全性が高くなると比例して、山留支保工のコストも高くなります。
土木基準での支保工段数の決め方
土木の設計基準である「道路土工 仮設構造物工指針」によると、山留支保工の鉛直間隔は3m程度とし杭頭部から1m段目の腹起しを入れることを原則とする。
この基準を守ると掘削深さHで段数が変わってきます。
H= ~4m 1段支保工
H=4~7m 2段支保工
H=7~10m 3段支保工
となります。
これは地盤がかなり良い時の段数だと思ってください。
地下水位が高くて、水圧が大きい場所や地盤が良くない場所では+1段ぐらいの計画になるはずです。
山留壁の強度によっても違ってきます。
建築基準での支保工段数の決め方
建築基準では計算でOKが出ればいいですよという考えです。
経済性と安全性を考えながら計画します。
山留壁の剛性を高めて、山留支保工の段数を減らすことで、掘削や躯体工事がしやすくなったりするので、工程にも関係してきます。
これは地盤が良い時の段数を参考に記載します。
H= ~6m 1段支保工
H=6~10m 2段支保工
ぐらいの計画が標準となります。
※地盤や水位や周辺環境によって段数は変わりますので計算はおこなってくだい。
解体高さの設定
山留支保工の設置高さを設定するときに必ず計画しなくてはならないのが、構造物をどこまで構築してから切梁を解体するかという計画です。
解体の高さは支保工高の下1.0mまで埋め戻してから、解体するのが基本計画となりますが、構造物の構造上できない場合があります。
その場合、盛替え梁を設置し山留壁を押さえ切梁を解体する計画をします。
この解体の計画を省略すると実施工で問題になる場合が多いので注意しましょう。
一段目支保工の高さの決め方
1段目山留支保工を設置する直前は山留壁が自立の状態になります。
そのため、近接した場所に民家がある場合など、変位を少なく抑えたい場合は、できるだけGL±0.0mぐらいの上部に設置して変位を抑えます。
また、周辺に既設構造物がなくできるだけ自立の状態で作業したい場合はGL-2.0mぐらいの下げた位置に設置します。
今日は支保工の設置高さのお話でした。
山留に関する質問がある場合は、コメントをお願いします。
できる範囲で回答しようと思っています。
それではまた。
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