こんにちは大野です。
今日は鋼矢板と親杭の継手についてのお話です。
継手を設置する位置と継ぎ手の形状について説明します。
鋼矢板や親杭が現場継ぎ手となるのは
①上空制限等の制約で鋼矢板が打設できない場合
②運搬上の問題(トレーラーなどの大型車が現場に入れない等)で長尺物が運べない場合
このような場合に現場継ぎ手とします。
継手の位置
鋼矢板
鋼矢板はどうしても継ぎ手無しの鋼矢板に比べ継ぎ手箇所が弱点となる。
そのため、継ぎ手位置は下図のように千鳥に配置したほうが、構造上安全になります。
したがって、継ぎ手位置は曲げモーメントが大きいところ(だいたい床付けより上下3~4mぐらいの範囲が目安)は避けるように設定するのが良いです。
↓↓鋼矢板の継手位置
親杭やSMW芯材
SMWや親杭の継手位置について定義されている文献はありません。
しかしながら、鋼矢板と同じように構造力学的に同じ位置に継ぎ手がある場合は、山留壁の強度が弱くなってしましますので、千鳥に配置するほうが良いです。
そのため、千鳥に継ぎ手を配置した場合、継ぎ手とその隣が無しと交互になり、継ぎ手が同じ位置にある場合と比べると応力が高くなります。
継手の仕様
現場継ぎ手は溶接とボルト接合の2種類あります。
どちらを採用するかといいますと、鋼矢板は溶接継ぎ手、親杭とSMWの芯材はボルト継ぎ手を採用するのが良いです。
鋼矢板は止水性を求められる山留壁なので、ボルト孔があると漏水の原因になってしまいます。
床付けより下にあっても、ボイリングやヒービングの原因となってしまいます。
そのため鋼矢板には、溶接継ぎ手を採用します。
親杭やSMWの芯材は、ボルト継ぎ手を用して下さい。
理由は現場溶接は溶接をする人の技量や現場の気象条件によって、品質のバラツキが大きくなるためです。
ボルト接合は規定のトルクでボルトを回すことで、作業する人の技量によって均一な品質が保たれます。
止水に関係のない親杭やSMWの芯材はボルト継ぎ手を採用して、品質を安定させます。
継手の形状
継ぎ手の参考図です。
※重仮設業協会資料より引用
補強のプレートを付けて溶接します。
鋼矢板
↓↓鋼矢板2型
↓↓鋼矢板3型
↓↓鋼矢板4型
↓↓鋼矢板5型
↓↓鋼矢板2w型
↓↓鋼矢板3w型
↓↓鋼矢板4w型
親杭
↓↓H300×300×10×15
↓↓H350×350×12×19
↓↓H400×400×13×21
以上、今日は山留壁の継手に関するお話でした。
それではまた。
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