こんにちは大野です。
今日は山留壁の鋼矢板工法についてのお話です。
鋼矢板はジョイント部を接合しながら連続して打設するので、止水性に優れた性能を発揮する工法です。
鋼矢板の施工方法には、振動工法、オーガー併用圧入、圧入工法またウォータージェット工法など様々な工法があります。
現場の地盤条件、工事規模、施工条件、敷地条件、周囲の環境を総合的に考え、施工方法を決定しなければなりません。
今回は施工方法の中の電動バイブロハンマーと油圧バイブロハンマーについて、また圧入工法について説明します。
電動バイブロハンマー工法
バイブロハンマーをクレーンで吊りこみ振動させることで、この振動を鋼矢板に伝え土中に打ち込む工法です。
施工効率が高いため、打ち込みだけでなく引き抜きにも利用できます。
振動が発生するため、使用場所が制限されます。
ウォータージェットを併用することにより、ある程度硬い地盤にも施工可能です。
打ち込みの際には激しい振動が発生します。
地盤が固くなるにつれてが施工スピードが遅くなりますので、ウォータージェット併用等を計画したほうがいい場合があります。
油圧バイブロハンマー
振動機の周波数をより高くすることで地盤に伝わる振動を低減する打ち込み工法
バイブロ系の施工機械では最も振動音が小さい。
電動バイブロほどではないが振動が発生する。
工費は電動バイブロに比べて割高になる。
電動バイブロと同じで、地盤が固くなるにつれてが施工スピードが遅くなりますので、ウォータージェット併用等を計画したほうがいい場合があります。
油圧圧入工法
油圧で鋼矢板を圧入する工法です。
施工性、安全性が高く振動・騒音が少ないので、周辺地盤にも影響が少ない工法である。
施工方法は、一般社団法人 全国圧入協会のほうで詳しい説明がありますので、知りたい方は見てください。
↓↓一般社団法人 全国圧入協会(アイコンをクリックしたらHPに行きます)
圧入機のサイレントパイラーは㈱技研製作所の製品です。
おそらく他の会社で製作されているとあまり聞いたことがありませんので、㈱技研製作所の特許製品ではないかと思います。
通常の圧入機だけでなく、硬質地盤対応のクラッシュパイラー・上空に制限がある場所で施工できる上空障害クリア工法、などあらゆる条件に対応した圧入機を開発されています。
今日は鋼矢板の施工に関するお話でした。
それではまた。
コメント
街中の解体工事で、既設基礎構造物を完全に撤去する為、鋼矢板を道路に打設して、既設基礎構造物を撤去。埋戻し後に鋼矢板引抜とした場合、道路が沈下する可能性への対処方法はありますか
コメントありがとうございます。
鋼矢板の引抜時の地場沈下対策として土留部材引抜同時充填工法があります。
協会のHPはこちらです。
引抜と同時に埋め戻しができるので、鋼矢板引抜による地盤沈下対策には有効だと思います。